「お腹だけ何とかしたい」という声はダイエット相談の中でも特に多いです。下腹のぽっこりは体重が減っても残りやすく、原因をきちんと理解しないと改善しません。看護師・保健師として解剖学・生理学の知識をベースに、原因と対策を解説します。
「下腹の脂肪だけを燃やすエクササイズ」は存在しません。これは科学的に証明されています(部分痩せ=スポットリダクションは不可能)。ではなぜエクササイズが効くのか?それは①全身の脂肪燃焼を促進する+②体幹・深層筋を鍛えてお腹を内側から引き締める、という2段階のアプローチが機能するからです。
Vispute ら(2011年)の研究では、6週間腹筋運動を続けたグループと続けなかったグループを比較した結果、腹部の脂肪量に有意な差は見られませんでした。脂肪燃焼は全身で起こり、「この部位の脂肪だけを燃やす」ことは不可能です。 出典:Vispute SS et al. (2011). The effect of abdominal exercise on abdominal fat. J Strength Cond Res, 25(9), 2559-2564.
🔬下腹ぽっこりの主な原因
①腹横筋の弱化
お腹の深層にある「腹横筋」はコルセットのように内臓を支える筋肉です。座りっぱなしの生活や運動不足でこの筋肉が弱ると、内臓が前に出てぽっこりお腹の原因になります。
②骨盤の前傾
ヒールをよく履く方や反り腰の方に多い姿勢の問題です。骨盤が前に傾くとお腹が前に突き出た姿勢になり、下腹が目立ちやすくなります。
③腸内環境の乱れ・便秘
腸内環境が乱れてガスが溜まったり、慢性的な便秘があると下腹が張って見えます。食物繊維と水分の摂取が改善に効果的です。
体幹トレーニング(コアエクササイズ)は腹部の筋肉量を増やし、ウエスト周囲径を有意に減少させることが複数の研究で示されています(Lee JS et al. 2014, Journal of Exercise Rehabilitation)
💪自宅でできる改善エクササイズ5選
- ✓①ドローイン:息を吐きながらお腹をへこませ10秒キープ×10回(腹横筋トレーニング)
- ✓②プランク:肘とつま先で体を支えて30秒キープ×3セット
- ✓③ヒップリフト:仰向けで膝を立ておしりを上げる×15回×2セット
- ✓④レッグレイズ:仰向けで両脚を上下にゆっくり動かす×10回×2セット(下腹に効く)
- ✓⑤キャットカウ:四つ這いで背骨を丸める・反らす×10回(骨盤の動きを改善)
週3回、1回10分でも続けることが大切です。食事改善と合わせて行うことで効果が高まります。腰痛がある方はプランクやレッグレイズは無理せず、ドローインから始めましょう。
- ✓下腹ぽっこりの原因は腹横筋の弱化・骨盤前傾・腸内環境
- ✓体幹トレーニングでウエスト周囲径は改善できる
- ✓週3回・1回10分のエクササイズから始めよう
- Lee JS et al. (2014). The effects of core muscle strengthening training on core muscle performance, spinal function and balance. Journal of Exercise Rehabilitation